土地を分筆して売るには宅建業免許が必要!個人が土地を分割して売ることができないので注意
古家付きの土地を売却しようとしていたお客様が、他の不動産会社に土地を2分割して分譲する提案を受けたお客様がいらっしゃいました。個人が土地を分割して売ることはできないので注意が必要です。
1つの土地を2分割して売るには
結論から申し上げると、1つの土地を2つ以上に分割して販売する行為は「分譲行為」として業とみなされるため、売主は宅地建物取引業免許が必要です。
例えば、広い土地にあった実家を相続して売却しようとしたとき、なかなか1つの土地が広すぎて坪単価から価格を出すと、高い価格の販売となってしまい、なかなか買い手が見つからないので、土地を2つ以上に分割して売ることはできないだろうか?と考える方も少なくありません。1つの土地を2つ以上の複数の土地に分割することを分筆と言います。
私どもハウスコミット富里と、遠方の不動産会社Aとの一般媒介でお預かりした土地付き建物の売却を依頼されたお客様がいらっしゃいました。A社は色々と提案してくれたのでA社に専任をお願いすることにしたから、ハウスコミット富里との一般媒介はやめたいとご連絡いただいておりました。
ある日、レインズという不動産流通機構で物件情報を見てみると、2つに分筆した販売案が出ていました。A社は「専任媒介」となっていたため、お客様に連絡させていただき、売主はお客様のままですよね?と確認。分譲行為には宅地建物取引業免許が必要にり、無免許で摘発を受ける恐れがあることをご説明させていただきました。
「A社から提案してくれた」と言っていたお客様。その提案が違法行為だったから怖いものです。
個人の売主は複数の土地を売却することができない
自分の家を売る。その1つの取引行為は反復継続ではないため、宅地建物取引業には該当しません。しかし、1つの土地を2つ以上に分割して、2つ以上の土地を別々の人に売るという反復継続行為には、宅地建物取引業免許が必要になります。反復継続とは不動産を繰り返し売ったり、転売、分割して売却する行為等を指します。個人に限らず法人であっても宅地建物取引業免許が必要です。もし無免許で分譲行為を行うと摘発され、摘発されるといきなり刑事罰になります。その刑事罰は宅地建物取引業としては重い、3年以下の懲役または100万円以下の罰金もしくは、その両方が課せられます。
1つの土地が広すぎて売りにくいのであれば、不動産会社へ買取りをしてもらうことが賢明です。摘発されて刑事罰を受けて懲役や罰金刑を受けるリスクは絶対に避けるべきです。刑事罰のため、前科が付きます。
たとえ不動産会社から提案があったとしても、知らなかったでは済みません。摘発されなかったらラッキーですが、分譲行為は懲役または罰金のリスクを背負ってまでやるべき行為ではないと肝に銘じておきましょう。
反復継続で摘発されるケース
宅地建物取引業法で言う反復継続は、不動産を繰り返し売却したり、土地を分割して売却したり、異なる相手に販売する行為等です。中古戸建を購入し、賃料収入を得ている不動産投資をされている。もしくは不動産の賃貸業を営んでいる個人投資家や法人において、その家を売る際に、宅地建物取引業において無免許であることを理由に摘発を受ける事案も発生しています。投資家の皆さんは、複数の戸建やアパートなど収益物件を持っていらっしゃいますが、物件を売ったり買ったりする行為もしくは、資産整理のために複数の不動産を短期間に複数回売却する行為、もしくは異なる相手に販売するという行為ということから宅地建物取引業における無免許にあたります。
例えば1つの土地を2つの土地に分筆して売ろうとしても、その2つとも同じ買主であれば宅地建物取引業法に抵触する可能性は少なそうですが、2つの土地を異なる相手に売却すると分譲行為で、宅地建物取引業免許を持ってない売主は、無免許で摘発されるというリスクがあります。
バレなければ摘発されませんが、摘発されるかされないかは、税務調査や国土交通省、県の宅地建物取引業課、不動産協会による調査や密告(タレコミ)によると推考できます。