
木造や鉄骨造など各構造の耐用年数は?成田市八街市の選び方もご紹介
「木造」「軽量鉄骨造」「鉄骨造」「鉄筋コンクリート造」「鉄骨鉄筋コンクリート造」など、建物の構造にはさまざまな種類があり、それぞれ耐用年数や特徴に違いがあります。どの構造がどんな特徴を持ち、実際にはどれくらい長持ちするのか気になったことはありませんか?また、近年注目されているCLT工法や壁式鉄筋コンクリート造についても、分かりやすく解説します。この記事では、構造ごとの特徴や耐久性を成田市・八街市の地域特性も含めてご紹介します。
\お気軽にご相談ください!/
各構造の基礎知識と法定耐用年数の違い
建物の構造ごとの、税務上の減価償却に用いられる「法定耐用年数」と、実際の寿命(物理的耐用年数)は異なります。以下の表で代表的な構造の法定耐用年数をまとめました。
| 構造 | 法定耐用年数(住宅用) | 実際の寿命の目安 |
|---|---|---|
| 木造 | 22年 | 50~60年、条件によっては100年以上可能 |
| 鉄骨造(軽量/重量) | 19~34年 | 50~70年程度 |
| 鉄筋コンクリート造(RC)・鉄骨鉄筋コンクリート造(SRC) | 47年 | 70年以上、適切なメンテナンスで100年以上 |
なお、木造の法定耐用年数は22年とされており、鉄骨造は構造材の厚みに応じて19~34年、RC造およびSRC造は47年と定められています 。
一方で、実際の寿命は法定耐用年数を大幅に上回ることも珍しくありません。たとえば木造は条件がよければ100年以上使用される例もあります 。鉄骨造でも50~70年程度、RC造では70年以上、100年以上の耐用も期待できる構造とされています 。
\お気軽にご相談ください!/
「法定耐用年数」はあくまで税制上の基準であり、実際の寿命とは異なります。適切なメンテナンスを前提に、それぞれの構造がどの程度の耐用性を持つかを理解しておくことが重要です。

構造ごとの特徴と耐久性の比較(ラーメン構造含む)
建物構造ごとに特有の特徴があり、安全性や設計の自由度、耐久性に違いがあります。以下に軽量鉄骨造と重量鉄骨造の違い、ラーメン構造の強みと、耐用年数について整理しています。
| 構造 | 特徴 | メンテナンスと耐久性 |
|---|---|---|
| 軽量鉄骨造 | 鉄骨厚6mm未満。木造より耐久性高く、リーズナブルながら遮音性が低い。 | 適切なメンテナンスで50~60年程度使用可能。リフォームはやや困難。 |
| 重量鉄骨造(ラーメン構造が多い) | 鉄骨厚6mm以上。ラーメン構造で間取りの自由度高い、大空間設計に優れる。 | 耐久性高く、遮音性にも優れる。適切な管理で耐用年数を延ばせる。 |
| ラーメン構造 | 柱・梁で剛接合。接合部が強く、耐震性能と自由設計を両立。 | 構造として強固。定期点検で長期使用が可能。 |
以下に、それぞれの構造の特徴と耐用性について詳しくご説明します。
まず、軽量鉄骨造は木造よりも耐久性が高く、コストも比較的抑えられますが、遮音性に欠け、リフォームの柔軟さにも制限があります。適切なメンテナンスにより50〜60年程度の使用が見込まれます。
一方、重量鉄骨造は厚みのある鉄骨を使って堅牢な構造を構築でき、ラーメン構造が採用されることが多く、間取りの自由度や耐震性に優れます。耐用年数としては建築費用は高くなるものの、管理次第で実際の使用年数を延ばせます。
ラーメン構造は、柱と梁が剛接合で構成されるため、耐震性に優れ、開放感のある設計が可能です。接合部の強度が高く、継続的な点検により高い耐久性を維持できます。
さらに、税制上の法定耐用年数と実際の寿命には差があります。軽量鉄骨造(骨格材厚3mm以下)は耐用年数19年、3〜4mm以下は27年、重量鉄骨造(厚4mm超)は34年とされますが、実際には適切なメンテナンスがあれば50年〜70年程度の使用が可能です。
\お気軽にご相談ください!/
最新技術と特徴的な工法(CLT工法、壁式鉄筋コンクリート造)
近年注目されているCLT(Cross Laminated Timber)工法は、直交した木材を積層・接着した厚型パネルを構造に用いる工法で、耐震性・断熱性・耐火性などに優れています。工場で高精度に加工されたパネルを現場へ搬入するため、施工の合理化や工期短縮が可能となり、デザインの自由度も高まります。この工法は、構造自体が仕上材となるケースもあり、効率的な建築が可能です。また、軽量であるため基礎への負担や材料輸送コストの削減につながります。さらに、木材を使用することでCO₂の固定や林業振興にも寄与し、環境配慮型の建材として期待されています。
| 項目 | CLT工法の特長 | 壁式鉄筋コンクリート造の特長 |
|---|---|---|
| 耐用年数・耐久性 | JAS規格のCLTは、50~70年持つとされ、耐久性の高い接着剤用いれば100年以上の可能性もあります。 | 壁式RC造は構造そのものが耐震性・耐久性に優れ、原則5階建て以下で強度に優れた構造です。 |
| メリット | 軽量で施工が早く、断熱・耐震・耐火性能や環境価値に優れます。 | 柱や梁が室内に出ずすっきりした室内、壁での支持により耐震性が高く、施工性・コスト合理化にも長けます。 |
| 留意点 | 設計ノウハウや積算精度がまだ成熟しておらず、不具合時の対応情報も限られます。地域の気候など周辺環境による耐久性への影響にも配慮が必要です。 | 間取り変更や大開口に制約があり、構造の詳細(ラーメン構造か壁式か)の確認が必要です。 |
このように、CLT工法は木材の持つ温かみと環境配慮性を活かしつつ、高性能な構造を提供します。一方、壁式鉄筋コンクリート造は耐震・耐久に優れる堅牢な構造です。ご検討の際には、それぞれの特性をしっかり把握し、設計や用途との相性を見極めることが重要です。

成田市・八街市で構造を検討する際の視点
成田市・八街市で建物の構造を検討する際には、地域ごとの地震リスクや地盤の特性を踏まえることが重要です。
まず成田市では、表層地盤の地震時の揺れやすさ(地盤増幅率)が約1.55とされ、全国でも揺れやすい地域の上位に入ります。これは火山灰台地で軟弱な層が厚く、地震時に揺れが大きくなる傾向があるためです。また、今後30年間では震度6強に達する可能性が高いことから、強固な耐震性を備えた構造選びが求められます。実際、成田市では住宅耐震診断のための補助制度や耐震改修の支援制度を充実させ、住宅所有者への意識啓発も積極的に行ています。
一方、千葉県全域を見ると、成田市の地盤はSI増幅率で1.35〜1.45と示されており、比較的揺れやすい地盤と言えます。この点は構造材の選定や基礎設計に反映させる必要があります。
\お気軽にご相談ください!/
八街市では、「昭和56年以前に建築された建物」の耐震化を進めるため、耐震診断や耐震改修の支援制度を整え、自治体として耐震性の確保に取り組んでいます。特に旧耐震基準で建てられた住宅については、まずは診断を行い、必要に応じて補助を活用して安心な構造を選択することが重要です。
以下の表では、成田市・八街市で構造を選ぶ際に特に注目したい地域特性や制度をまとめています。
| 地域 | 地域特性(地盤・地震) | 構造選びの視点と制度 |
|---|---|---|
| 成田市 | 地盤増幅率約1.55で揺れやすく、30年以内に震度6強以上の揺れの確率が高い | 強固な基礎・耐震構造の採用(耐震等級3など)、耐震診断・改修の補助活用 |
| 八街市 | 旧耐震基準の住宅が残る可能性が高い | 耐震診断を先行、必要に応じて改修。支援制度を活用し耐震性向上を検討 |
以上のように、ご自身の建築計画においては、成田市・八街市の地震・地盤の特徴を踏まえ、構造選びを進めることが重要です。耐震診断や自治体のサポートを上手に活用し、安全性の高い建物構造を設計するための一助としてください。

まとめ
建物の構造には木造、軽量鉄骨造、鉄骨造、鉄筋コンクリート造、鉄骨鉄筋コンクリート造など多様な種類があり、それぞれ法定耐用年数や実際の寿命は異なります。また、最新のCLT工法や壁式鉄筋コンクリート造も特徴や耐久性に優れています。成田市や八街市のような地域では、気候や地盤、地震のリスクなども考慮したうえで、構造を選ぶことが重要です。ご自身の住環境や今後のライフプランに合わせて、建物の構造をじっくり検討してみてください。


